Osaka PFAS

 2022年に大阪市内から大阪府吹田市の診療所に移り、幅広く医療活動をしています。私自身の住所は摂津市でPFAS問題については多少耳にしていましたが、その実態については意識的に報道を探さないと見えてきません。国際的には発がん性の明らかな有害物質が日本ではまだその認定すらされておらず、汚染実態調査に対して府も企業も消極的です。私たちの飲む水や吸う空気は、意識せずとも体に入ってくるもので、健康で暮らすための前提条件となるものです。ところが少なくともダイキン周辺の住民の方は有意にPFAS濃度が高いことがわかりました。
 日頃から地域住民と患者さんの健康を守る立場で診療を行っていることから、血中濃度の高い人は明らかにして、健康チェックを定期的に行うことは医療者としての使命と感じ、責任感を持って取り組みたいと考えています。

大阪PFAS汚染と健康を考える会 代表 大島民旗
(大阪民医連会長・相川診療所所長)

 全国でPFAS汚染が問題となる中、環境省調査で大阪の河川や地下水が一番高いと報道される中、私たちは2023年、「大阪PFAS汚染と健康を考える会」を結成し、無数の学習会を開き、昨秋、住民1190人の血液検査を行いました。その結果、摂津市や東淀川区などを中心に大阪府下で人の血液中から米国の健康管理勧告値を超える高濃度汚染が出ていることがわかりました。
 しかし、国や行政は「健康被害は確認されていない」として、血液検査の実施や環境汚染対策に後ろ向きの姿勢です。健康被害は未然に防ぐことこそ大切です。地球環境とともに身近な環境を守り、健康に暮らすことはみんなの願いです。多くの皆さんに関心を持っていただき、学び、調査し、行動する「会」にしていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

大阪PFAS汚染と健康を考える会 事務局長 長瀬文雄